ひじおりの灯2021

「蓑灯籠」
成瀬 正憲 | ナルセ マサノリ

「技術の生態系」というものがあるとしたら、蓑づくりのそれは絶滅種といえるだろう。かつて柳宗悦が讃えた「最上の蓑」も今や使用者はなく、技術もまた姿を消したかにみえた。
だから肘折を訪れて驚いた。「蒸れなくてよ、あんべいいんだ」。使う人がいる。「遊びでつくってんだ」。つくる人までいるのだから。
制作の手解きを乞うた。ミノスゲと呼ばれる素材を山に探した。ミノスゲの色を脱いた。長い冬を思って。編み続けた。月山・湯殿への長い道を思って。
灯籠が夜を照らすだけでなく、たましいが還るための目印なのであれば、カミの依り来る目印は依り代といわれる。それは風にはらりと揺れる、そう、こんなかたちであるそうだ。

制作者プロフィール
山形県鶴岡市 / 日知舎

 
 


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