ひじおりの灯2023

「肘折大運動会〜春の重箱弁当絵〜」
中須賀 愛美 | ナカスカ マナミ

春は、東北では運動会の季節らしい。
取材に入った5月、世間話から肘折の運動会の思い出を聞いた。
肘折小中学校の閉校は2009年。最後の運動会の写真を見せてもらったら、写る誰もが本当に楽しそうで、胸がいっぱいになった。皆が参加する運動会、宴を準備するお母さん方は本当に忙しい。仕込みをして、早朝から詰め込む重箱弁当は、他の家族とも分け合って食べたという。大変だけれど、きっと美味しいにちがいない。温泉街の人々にお弁当のおかずを聞いて回ったら、旬の山菜を使ったり、家族のリクエストで作る特別なおかずにしたりなど、各家庭の個性が楽しい。
誰しもにとって懐かしい運動会。肘折には一際、温かい思い出が残っている。
 
集めたおかず:
横山仁右ヱ門商店さんちの馬肉チャーシュー(前日から煮込んでとろとろに)、
さばね屋商店さんちの巻き寿司(ほうれん草のおひたしや大根漬け入り)
三浦屋旅館さんちの赤しそおにぎり、
若松屋村井六助さんちの木の芽のお稲荷さん(木の芽=アケビの新芽。変色を防ぐため酢を使わず塩のみで)とタケノコの煮物とわらびの一本漬け、
大友屋旅館さんちのサンドイッチ、
三春屋旅館さんちの刺身(ヒラマサなどハマチ系)、
その他玉子焼き、唐揚げ、エビフライ、タケノコごはん、カップラーメン、ぶどう、いちごなど(以上お話を聞いた順)

【消灯】

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【点灯】

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【音声解説】

制作者プロフィール
 

1994年広島市生まれ。
広島市立大学芸術学部美術学科日本画専攻卒業。
秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科修了。
失われるものごとへの記憶の想起やその寓意性に着目した制作を行う。
2018年度第3回FujisatoREC特別賞受賞。
2020年より秋田市にオルタナティブスペース「オルタナス」を有志と立ち上げ運営する。