ひじおりの灯2025

「 残る足跡」
渋谷 七奈 | シブヤ ナナ

三浦屋旅館には、代々宿と共に生きてきた猫たちがいる。一代目のチャオ、二代目のチビ、そして今を生きる三代目のチャッピー。灯籠にはその三匹を描いた。チャッピーは生まれながらに下半身に障害があり、前足で体を運ぶようにして旅館で過ごしている。幼い頃、箱に入れられたままの姿で見つかったチャッピーを、女将さんと娘さんが保護し、今も共に暮らしているという。

チャオもチビもそれぞれに旅館の日々を見守ってきたように、チャッピーもまた客人たちを迎え入れる存在として、ここにいる。代々受け継がれてきた命が、灯籠の中でひとつに並び、これから先もまた猫と共に旅人を迎え入れてくれるだろう。

制作者プロフィール
 
  •  
  • 2019年 東北芸術工科大学 芸術文化専攻 芸術総合領域 修了
    2017年 東北芸術工科大学 美術科 日本画コース 卒業

    [個展]
    2024年 若手アーティスト支援プログラムVoyage "光源の二輪" 塩竈市杉村敦美術館 (宮城)
    2023年 ”シナプス、せわしなく明滅しながら” 京都岡崎蔦屋書店EN gallery (京都)
    2022年 ”きゅうに光があばれだして” cyg art gallery(岩手)
    2022年 ”Near and far view” artists space TERRAIN(京都)
    [グループ展]
    2025年 "若手アーティスト支援プログラムVoyage歴代出品者展" 塩竈市杉村敦美術館 (宮城)
    2024年 "山形ビエンナーレ2024" ひとひのうた 蔵王 (山形)
    2024年 "フレンズ" nagame (宮城) 

  •