ひじおりの灯2025

「 ピカピカチャクラ」
髙山 美月| タカヤマ ミヅキ

私は肘折へ行くと予定が決まった時から、アブローラーを持って行くことも決めていた。
理由は二つあり、一つは折角の一人旅に憂鬱な瞬間を作るくらいなら(私は大概一人だと憂鬱なことを考える。)腕や頭の血管をパンパンにした方がマシだと思ったこと。もう一つは汗をかいてもすぐに温泉に入れるから。という贅沢な理由からだった。
まず筋トレをして驚いたのが、行為から行為へのシームレスさにだった。普段私は生活の中で、食事、制作、筋トレ、入浴など、別の行為に移行するのが億劫になりがちだが、肘折ではまるで全ての行為は地続きであるかのように次の行為に移行することができた。例えば筋トレと制作など日頃から筋トレに身体的メンタル的な健康面以上に接続の効果を期待したいものに対しても、力が漲って行くのが感じられた。一つの行為から次の行為へ移る度に体が軽くなって行くようであり、筋トレをして浮腫みが流れ肉体が軽くなると心も軽くなっていく現象の究極を肘折で見た気がした。チャクラが開いた状態とは恐らくこのことであろう。
私の体内のみならず肘折全体がエネルギーの通り道のような印象を受けた為、チャクラが開かれた状態を銅山川の流れに見立て、私が肘折へ到着してから筋トレや入浴を経て、最終的に心身共に身綺麗な状態となって地蔵倉へと突入して行く様を灯籠絵として制作した。

制作者プロフィール
 
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  • 1995年静岡県生まれ
    2018年東北芸術工科大学日本画コース 卒業
    2018年Woman only bar「楽園」壁画制作開始
    2019年TOHOKU CALLING 佐藤美術館
    2020年東北芸術工科大学修士課程日本画領域 修了
    2022年シズオカ×カンヌウィーク2022 静岡市
    2022年CROSS OVER vol.40
    2023年CROSS OVER vol.43
    2023年生きて大業の見込みあらば(なくても)いつでも生くべし 展示、YouTube配信
    2024年個展Glowing on the top 嵐の中で星を見て hug coffee

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