地蔵倉に行く途中、雪の重さに耐え幹が曲がった杉並木に出会った。
モゾモゾと今にも動き出しそうな根曲り杉の木肌は、熊やカモシカの背中の毛並みにも見える。
森の木々も動物も、強い生命力の塊だと改めて強く感じる瞬間だった。
夜の森は真っ黒で怖い。
今や、わがままなほど夜も明るい街に住む人間にとって、暗闇の恐怖や自然の怖さなどにゾクッとする感情は凄く大切で、そのような自然環境と肘折の人々の生活は隣接し、そして共存している事が本当に尊い事であると思った。
そんな肘折の森を描いた作品である。
制作者プロフィール
- 𠮷田 愛
- アーティスト
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時には砂浜に、時には野原に、時には空に、想い描く線や色を表現したいと海岸を歩き、山に登り、強風の中で凧をあげる。
描く支持体や画材は、その時々で変わっていく。
足がすくむ様な切り立つ断崖絶壁やどこまでも続く凪の海面、雨上がりの眩しいほどの光芒や真夜中の吸い込まれる様な底なしに黒い海。
興味惹かれるものの側には、創造の欲が散らばっている。
実際、これらの様な自然の中で体感した「生と死の喜び・興奮・恐怖」がエネルギーになり、制作の原動力となっています。
植物や鉱物など自然物に触れ合いながら素材を尊重し、表現したいイメージに合わせて作品の形を変えていきます。欲の通りに表現する為には、素材を知らなくてはなりません。
主宰している風と遊ぶ集団“風collective”も、風と遊ぶ事をテーマに様々なジャンルの作家達が作品を大空に飛ばします。風を待ち、風の流れを学び、現場で感じて知ることで作品が飛んでゆきます。
そこで学んだ“待つ・学ぶ・感じる・知る”という姿勢を大切に日々制作しています。
WEBサイト
https://yoshidaai.com/