ひじおりの灯2017

「水の記憶」
古田和子 | ふるた かずこ

肘折は水との関係が近い。
 
温泉街のそばには川が流れている。
耳をすますと銅山川や苦水川の音が聞こえてくる。
 
私がよく訪れるのは5月。
 
そのときは山菜のおいしい季節で、その山菜も山の雪解けの水によって育まれる。
 
それから、温泉。
マグマだまりによって温められた水は温泉となり、私たちの体を労わる。
 
そして、もっと昔を辿ると、かつて肘折は一面の水の中にあったという。
 
山も人も植物も動物も神さまも、ゆるやかに水によって繋がり、生かされている。

制作者プロフィール

土地に生息する動物や植物の営みをモチーフに絵を描いています。
牡鹿半島に生息する鹿。益子町の大きなアカメガシワを訪れるキビタキの群れ。
そこにある生活やかつての記憶を見聞きすると、大きな世界が根っこの部分で自分自身と繋がっていくように思えます。
日々新しく生まれるこの世界と記憶をかたちに残したいです。
 
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1985 東京都世田谷区生まれ 
2015 東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻修士課程修了
 
【個展】
2013-
「風の景色」フリュウ・ギャラリー(東京)
2016-
「鹿画廊|2015?2016・冬」はまぐり堂・高見(宮城)
2017-
「鹿画廊|2017・冬」はまぐり堂・高見(宮城)
「鹿の目」はまぐり堂・高見(宮城)
2018-
「世田谷区芸術アートアワード”飛翔”受賞記念展覧会」世田谷美術館(東京)
 
【グループ展】
2014-
「ひじおりの灯2014」大蔵村肘折温泉街(山形)
2015-
「東北芸術工科大学 卒業・修了制作展」東北芸術工科大学(山形)/東京都美術館(東京)
「ひじおりの灯2015」大蔵村肘折温泉街(山形)
「土祭」旧濱田庄司邸(栃木)
2016-
「辛 遊理・古田 和子 2人展」ガレリア・グラフィカbis(東京)
「ひじおりの灯2016」大蔵村肘折温泉街(山形)
「山形ビエンナーレ|東北画は可能か??地方之国現代美術展?」東北芸術工科大学(山形)
2017-
「small works 2017」ガレリア・グラフィカbis(東京)
 
【賞歴】
世田谷区芸術アートアワード”飛翔”
 
【所蔵】
山形市
蛤神社
古山閣 オーベルジュ
 


【ウェブサイト
http://www.furutakazuko.com/