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ひじおりの灯2020

「佐藤丑蔵、ひじおりの寝相」
増子 博子 | ますこ ひろこ

 
 「襖の隙間からふと見える、人々の寝姿がなんだかとてもいとおしい。まるで踊っているようにも見える。」
肘折の宿を営む方からふともれた言葉です。ゆっくりと湯に浸かり、正しい状態に体を戻す。それぞれの寝姿をあたたかく見守る宿の人々の姿が浮かんできます。
 そして、明治22年遠刈田で生まれ18歳から木地師として肘折で働いた「佐藤丑蔵」。
山形、岩手、宮城と転々としつつ作ったこけしの顔の表情や姿の変化の豊かさを「こけし界のピカソ」と呼ぶ人も。暮らす土地や時代の流れの変化に身体を任せ、これまた踊るように描いていたのではないかと勝手に想像しています。
さて、今回灯籠中に登場する、「四つ車」という木製玩具があります。以前肘折の宿では、この四つ車が湯治客達によってマッサージをするのに使われていたそうで、車両の軸にはしなやかな本藤が仕込まれていたという話が残っています。用途に合わせて使う材料もしなやかに変えていく職人心が、玩具の中に静かに眠っています。
 今回の灯籠絵は、その四つ車をお守り的に配置し、佐藤丑蔵の表情の変遷と、宿で休む人々の豊かな寝姿を重ねて描いています。よくよく身体が休まりますように。

制作者プロフィール

 
1982年宮城県生まれ。2008年宮城教育大学大学院修了
盆栽をテーマにした作品、日々のドローイング「側(カワ)の器」、
住む土地土地で出逢ってしまうもの、人などを通し考えながら制作を続けています。

2007年から主にGallery Jin Projects(東京)、ヨロコビto gallery(東京)、
Studio J(大阪)、Gallery MoMo(東京)、Cyg art gallery(盛岡)、リアスアーク美術館(宮城)などで個展。

2007年「第28回グラフィックアート『ひとつぼ展』」ガーディアンガーデン (東京)
2010年「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬県近代美術館(群馬)
2011年「ゲンビどこでも企画公募2011」広島市現代美術館エントランスホール(広島)
2018年「VOCA展」上野の森美術館(東京)
等グループ展に参加

2007年 「トーキョーワンダーウォー2007」トーキョーワンダーウォール賞 
2010年 「Toyota Art Competition」 優秀賞


【ウェブサイト
https://www.bonsa1.org/