とっしりと佇む三角山の絵を描きました。山は言葉を話さないし、どすどす動いたりもしません。ちいさく息をひそめるように、町並みや空に溶け込んでいます。
けれど山は、いつも変わらずそこにいます。わたしたちがおなかをかかえて笑っても、どれだけ慌てても、たくさん涙を流しても、いつも同じところに佇みます。
わたしは時々、自分がひとりだと感じます。だけれど山を見ていると、いつの間にかそのことを忘れてしまいます。肘折にはいつも三角山があるのだなと、この場所に暮らす人のことを少しうらやましく思いました。
【消灯】
【点灯】
【音声解説】
制作者プロフィール
1998年奈良県香芝市生まれ。絵描きの両親のもと廃墟を改装した家で育つ。
秋田での学生時代、男鹿半島で真山の万体仏に出会い、仏たちの浮かべる表情とその圧倒的な空気に魅せられ木を彫ることを始める。
2021年父の死をきっかけに、人やあらゆる物事の存在、人間の生死や傷と生きていくことについて、頭ではなく身体で考えたいと思っている。
秋田での学生時代、男鹿半島で真山の万体仏に出会い、仏たちの浮かべる表情とその圧倒的な空気に魅せられ木を彫ることを始める。
2021年父の死をきっかけに、人やあらゆる物事の存在、人間の生死や傷と生きていくことについて、頭ではなく身体で考えたいと思っている。