ひじおりの灯2026

「クマザサにみる彼岸」
福士 真穂 | フクシ マホ

地蔵倉へ行く道中でクマザサに出会った。
クマザサは同じ株から何本も茎を伸ばすため、群生地のように見える所でもその一帯は根っこで繋がっている。約100年の生涯に一度だけ線香花火のような花が咲き、直後に枯れてしまう。滞在中にクマザサが満開の瞬間に立ち会った。
クマザサ、幽霊草にタニウツギ。肘折には様々な草木が生息し、人である私とは異なる在り方を垣間見る。
また、山には昔の人がつけた山道や石碑など人の残り香の漂う場所も多い。もうここにはいなくても、今ここに、目の前にある。彼岸と此岸はそんなに離れてはいないのかもしれない。私がどんなときでもクマザサは地中に根を張り花を咲かせ、枯れゆくことを繰り返す。

制作者プロフィール
 

東京都在住。
子どもの頃は山形に暮らし、肘折にもしばしば家族で訪れていました。
目に見えないものを掬い取るための絵画や手芸などによる制作を行っています。
2019年 Alter Shelter5“Migrant Matter”参加(インドネシア スラバヤ市)
2020年 「昇降白龍図」展示(秋田県)(佛壇の升谷・雲昌寺・旧渡邊幸四郎邸)
2023年 秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻卒業
2024年 第30期からむし織体験生修了(福島県昭和村)