ひじおりの灯2026

「水の行方」
伊藤 みさき | イトウ ミサキ

取材で訪れた雨の日の3日間、私は何度か訪れている肘折温泉という場所にやっと腰を下ろした感覚がありました。
旅行や湯治で滞在している方々と湯気、雨、霧という水の行方を眺めていました。
ヤマユリの蕾が静かに雨の中、花を開くための力を蓄えているようにも見え、そんな雨の中の自分も水の循環の中にいるような感覚がとても心地良く思いました。
雨により増水した肘折ダムから温泉の湯気、山々の隙間から伸びる霧の雲、すべてが肘折の中でひとつなぎの世界となっている様子を、今回は植物からの恵みである植物染料を使って光を透かすように描きました。

制作者プロフィール

 
1995年 東京都出身
2022年 東北芸術工科大学大学院修士課程芸術文化専攻絵画研究領域 修了
現在 山形にて制作、東京、山形を中心に作品発表をおこなう。
「山形」という環境を描きたいと思い日々制作しています。当たり前のことが当たり前ではないこと、その場所の自然環境が作り出す景色を描き留めています。