肘折温泉付近には明治の終わりから金と銅が採掘された大蔵鉱山がありました。今でも製錬所の建物や煙突が山々のなか静かに佇んでいます。今回の灯篭はそんな鉱山跡地の廃墟に使われているカラミ煉瓦をモチーフにしました。カラミ煉瓦とは製錬過程で出たスラグ(滓)を固めて作られたものです。鉱山跡地付近は木々が繁茂し時間と共に自然へと飲み込まれていますがこのカラミ煉瓦の建造物の一部は未だに健在で付近にはカラミ自体が廃棄され積層し木々が生い茂らず森にポカンと空いた場所も点在しています。盛んな人の営みと時間の経過が同時に体感できました。また、金山銅山へのロマンが今も尚静かに、確かに、肘折温泉郷にはあります。
カラミ煉瓦は光を当てると鈍く光ます。赤や青がシルバーがかって黒ベースのなんとも言えない表情になります。その深く、ケミカルでもある表情は掴み切れない肘折のカオスな部分をよく表しているように感じました。絵灯篭ではその表情が上手く照らし出されたらと考え制作しました。
今回も肘折温泉郷のほていや商店の若旦那さんに取材のアテンドをして頂きました。肘折温泉郷にはまだまだ面白い伝承、現象、物象があります。私自身ようやっと入り口に立てた感覚です。正直絵灯篭に落とし込み切れていません。今回の作品はとてもシンプルに仕上げたつもりですがもっともっと深く体感し咀嚼して肘折世界を表現したいです。肘折トレジャーは始まったばかりです。
1995年
宮城県生まれ
2015年
第26回飛騨高山臥龍桜日本画大賞展 入選
2017年
第80回河北美術展 日本画の部 入選
第3回石本正日本画大賞展 入選
2018年
第81回河北美術展 河北賞 受賞
第44回春季創画展 入選
2019年
第7回悠々貫久展 参加
第1回SEIBUN ART Exhibition 参加
山形市作品買い上げ 山形市役所 蔵
東北芸術工科大学 修士課程日本画 修了
平成跡地展
2022
第16回ひじおりの灯 参加
第17回ひじおりの灯 参加
【ウェブサイト】
https://instagram.com/kutibiruman7