6月に四ヶ村で長沼・男沼とブナ林を散策した時、あざやかな青色のルリイトトンボがたくさん沼の周りを飛んでいました。まれに温泉街の中でも見かけるトンボです。肘折ではイトトンボの仲間を「カミサマトンボ」と呼ぶそうです。由来はわかりませんが、沼に群れる様子に水との関わりの深さを感じます。温泉街を飛び回り、お店や旅館にも入ってくる様子から、どこにでもいて、あらゆるものを見守っている存在にも思えてきます。
松屋の洞窟乃湯はまるで異世界への入り口。流れ続けるお湯に浸かっていると、時空を超えて旅する気分になります。茅葺き屋根が並んでいた、かつての肘折温泉の風景も、湯気の向こうに浮かびあがるかもしれません。
制作者プロフィール
広島県呉市生まれ、宮城県仙台市在住。2010年アラスカ大学フェアバンクス校卒業。2017年東北芸術工科大学大学院修士課程地域デザイン研究領域修了。アラスカや東北各地の捕鯨、漁労、海の民俗文化についてフィールドワークと採話を行い、リトルプレスや刺繍、造形作品として発表。2016年よりリトルプレス『ありふれたくじら』を制作・発行(Vol.1~6既刊)。
【ウェブサイト】
https://www.sakurakoretsune.com