ひじおりの灯2020

「日食の森」
草彅 裕 | くさなぎ ゆう

例年より1ヶ月遅れでの参加となった取材合宿。
 
ブナ林の緑は深まり、木々の騒めき、におい、生き物の気配が、閉ざされていた五感を目覚めさせる。2020年6月21日は、372年ぶりの夏至の日食が観測された。日食の太陽が照らしだす木漏れ日は、周囲を淡い緑色に包み鮮烈に輝いていた。
 
その色は、他の波長の光を葉緑体が吸収し、緑の波長のみを反射することによって生まれている。緑は植物の生命維持活動であり、空気を浄化し、地球上の生命にとってなくてはならない光合成の色でもある。
 
日食の光、森の色を、写真によって灯篭の輝きに込める。まさに「日を食う」樹々の葉が躍動する、瑞々しい生命のエネルギーを表現しようと試みた。

制作者プロフィール

秋田県出身
東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科修了
[受賞]
2019年「キヤノン SHINES」入選(梶川由紀選)
2010年「キヤノン 写真新世紀」佳作(蜷川実花選)
2007年「コニカミノルタ フォト・プレミオ」入賞
2005年「APA公募展」文部科学大臣奨励賞
[個展]
2019年「流転の水系」仙北市立角館町平福記念美術館 (秋田)
     「水の粒子」Cyg art gallery (岩手)
2018年「ACID WATER -流転の水系-」キヤノンギャラリー(東京・大阪・愛知)
2016年「SNOW」コニカミノルタプラザ(東京)
2007年「arkhē~水と太陽~」コニカミノルタプラザ(東京)
その他多数
[グループ展]
2019年「The Narrative of the Shore」CASE Space Revolution(タイ・バンコク)
2018年「夜と美術」秋田県立美術館(秋田)
2014年「ネイチャー・イン・トーキョー」KYOTOGRAPHIE 国際写真フェスティバル 有斐斎弘道館(京都)
その他多数
[出版]
2016年 写真集「SNOW」FOIL出版


【ウェブサイト
http://yu-kusanagi.com/