緑が深くなってきた頃、取材で肘折に訪れました。自分が見て感じたことやご案内いただいた情報などをひたすらメモし、一日の終わりに振り返ってみると、それは楽しい思い出の日記となっていました。作品は言うなれば私の肘折滞在日記です。地蔵倉にあった木彫りの不動明王が印象的で、揺るぎなき守護者として山から見守っているような構図になっています。ギンリョウソウの儚さ、根曲がりした木々、町に流れる川の音など、肘折で体験した自然風景の全てが心地よく、生き生きとした動植物たちの力強さを表現したいと思い制作しました。
制作者プロフィール
1995年大阪府出身。
東北芸術工科大学洋画コース卒業。
現実の風景、日常に存在する植物や動物たちを「自然」への畏敬をもってキャンバスに落とし込む。オリジナリティーの模様、色彩でストーリーを展開する。